ホストファミリー話①インド出身のシク教徒

海外生活いろいろ

私はイギリスで2つの家庭にホームステイでお世話になりました。最初のお宅はインド出身の60代の夫婦のおうちでした。ホストマザーは3歳でイギリスに来ているのでインドよりイギリス暮らしの方が圧倒的に長いです。彼女の発音も言葉も美しい英語は毎回聞きほれてしまうほどでした。二人とも頭が良くて,ボランティアに熱心で,孫の世話に日々忙しい人達でした。

この夫婦は英語以外にもパンジャビ語を流暢に話し,敬虔な「シク教徒」でした。私はシク教という宗教をこの夫婦に出会ったおかげで初めて知りました。世界で5番目に信者数が多いと知ってびっくり。総本山はインドにあり,金色に輝く寺院が建っていて,ホストファザーから写真を見せてもらいました。何度か行ったことがあるそうです。

寺院はグルドワラと呼ばれ,世界各地にあります。私がホームステイしていたコヴェントリーにもグルドワラがあり,そこに数回連れて行ってもらいました(金色ではありません)。私はこのグルドワラに行くのを毎回楽しみにしていました。理由は美味しいインド料理を無料で食べられるから!家の近くに欲しいです。辛いものも辛くないのも美味しい。材料がよく分からないものも美味しい。特にかき揚げみたいな天ぷらが美味しかったです。

グルドワラで出る料理は全てベジタリアン向けで,肉製品は持込すらできません。ちなみにシク教徒にとって牛は神聖な生き物なので牛肉を食べません。私のホストファミリーは他の肉は食べていました。私が牛肉を食べたければキッチンで料理していいよと言われていましたが,せっかくなのでホームステイ中は牛肉なし生活を経験することにしました。

グルドワラは寄付とボランティアで運営されており,ホストマザーもホストファザーもよくボランティアに行っていました。ホストファザーなんて厨房の仕事のためにほぼ毎朝5時くらいに行っていました。ホストファザーは料理が上手で,彼が作るカレーは今まで食べたインドカレーの中でダントツ美味でした。

グルドワラに行けばシク教徒かどうかは関係なく誰でも無料で食事することができます。

私は日本にいる間,宗教らしい話を普段することがありません。しかし,イギリスに居る間,宗教を身近に感じることが多々ありました。こんなに宗教が身近になったのは人生で初めてでした。このホストファミリー関係だけでも,家にシク教の教祖グル・ナーナクの絵が飾られていて毎日見るし,3か月間牛肉を食べなかったのも初めてだし,シク教の男性はターバンを頭に巻くのでホストファザーは基本的にターバン姿だったし,シク教の大事なバイサキという行事に連れて行ってもらったおかげで貴重な経験ができ,良い意味でカルチャーショックを受けました。グルドワラの厨房に入ってチャパティ(薄いパン)をこねる手伝いも楽しかったです。バイサキのことは別の記事に詳しく書きます。

ホストファミリーが私にとって初めてのインド出身のお友達なのですが,親類縁者も友達もとてもフレンドリーでいい人だらけで「インド人は絆が強い」と聞いて深く納得しました。最後までお読みいただき,ありがとうございました=^_^=

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