海外に行く前にしておいてよかった習い事

海外生活いろいろ

パンデミックで出発を延期したので

もともと2020年4月から1年間海外研修に行く予定でした。そこにちょうど直撃したのが新型コロナウイルスのパンデミックでした。予定通り出発するかギリギリまで悩んで,出発を延期することにしました。一生に一度かもしれない海外生活なのに「外を自由に出歩けないのが嫌だ」「海外で病気になる可能性が高まるのが嫌だ」ということで延期しました。大金を使うし,せっかくなら自由に出歩き,たくさんの人と関わりたいわけです。延期した分,歳を取るのが嫌でしたが「仕方ない,この間に何かプラスになることを身に付けよう」と考えることにしました。でも「何しようかなぁ・・・」状態でした。

着物の着付けと茶道を始めたら

~始める前は~

  • 着物を着るのは好きだが自分では着ることができない
  • 抹茶は好きだが自分でお茶を点てられないし,作法は全く分からない

着付けは今までに少し習っても全く身に付かないというのを繰り返していたので,着物屋さんで着付けレッスンを受けるのと同時に茶道を始めることにしました。そして茶道のお稽古に必ず着物で行くことにしました。洋服でもよいと言われているのですが,今のところ100%着物でお稽古しています。そうしないと私は着物を着る機会がなく,着付けを忘れてしまうからです。きれいに着られていない回数の方が圧倒的に多いし,帯を失敗することも多々ありますが,お茶の先生に直してもらいつつ,以前より一人でも早く着られるようになりました。「着た分だけ着られるようになる」というのを実感しています。毎週着付けレッスンとお茶のお稽古をする生活を1年半ほどしました。

着物もお茶も海外でとても喜ばれた

~海外に行くときは~

  • 時間はかかるがなんとか一人で着物を着られる
  • まだまだ茶道ビギナーだがお茶を点てることはできる

どちらも初心者のまま渡航しましたが,心から「習っておいてよかった!!!!」と思いました。もし出発を延期して習っていなかったら知識ゼロ,技術ゼロで渡航していたはずでした。もともと着物を着るのが好きな私は海外で自力で着物を着られて嬉しかったし,ホストファミリーや学校の先生達,現地でできたお友達も着物姿を直接見るのは珍しいので喜んでくれました。それに,海外の人に着物体験や茶道体験をしてもらうこともできました。もともと抹茶が好きな人も,初めて抹茶を飲む人も「おいしい」「思っていたよりライトで飲みやすい」と抹茶は思っていたよりずいぶん人気で嬉しかったです。

「お茶を習っておいてよかった」と思ったできごとは他にもありました。イギリス国内を旅行しているときに同じツアーで出会ったドバイの人にいきなり質問をされました。「なぜ日本の茶道は茶碗を回すのか」と。

まさかそんなことを訊かれると思っていなかったので一瞬ビクッとしましたが,紅茶のティーカップを使いながらカタコト英語で「茶道の茶碗は正面というものがあって,例えば茶碗の一番きれいな柄が正面になって,そこを亭主は客に向けて出すけど,客は謙遜の気持ちや,リスペクトの気持ちがあって,そこを避けて飲むのがマナーで,だから茶碗を回して正面から飲まないようにして・・・」カタコトカタコトカタ・・・のような説明をしました。

なめらかな説明ではなかったものの,このときも「習っておいてよかった・・・」とホッとしたのでした。

「私は茶道を1年半習っています。まだまだかなりの初心者です。私のお茶の先生は40年されていて,まだまだ勉強中と言っています。」と言うたびに海外の人にビックリ仰天されました。イギリスの人達には「私達の”紅茶を淹れる”というのと全然違うのね」と言われました。茶道はお茶を点てるまでにいろいろなお作法があって,ただ抹茶とお湯を茶碗に入れてシャカシャカ混ぜて完成,とはならないですよね。「お茶会には何時間もかかるものがあります。」というのも驚かれました。イギリスの人は「紅茶ってお湯沸かしてティーポットに茶葉とお湯を入れて10分もあれば終わるよねハハハ」と笑っていました。

私は紅茶も大大大好きで,それがイギリスに行きたかった理由の1つでもあります。イギリスの人に美味しい紅茶を淹れていただき,私は日本のお茶を点てて喜んでもらうという経験ができたので,本当に少しでも習ってから海外に行ってよかったなと思いました。

まさに「塞翁が馬(さいおうがうま)」で,泣く泣く海外出発を延期したおかげでより充実した海外生活になりました。何が幸いするか分かりませんね。最後までお読みいただき,ありがとうございました=^_^=

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