自己啓発等休業を知っていますか?

休んで考えたこと

私は小学校教員ですが,「最低1年間は海外生活をしたい」という夢を諦められず,仕事を確保したまま休む方法(教員のまま休む方法)を探しました。そしてたどりついたのが「自己啓発等休業」でした。

「今,休まなければ,たぶんもう休まない」「これからの人生で一番若い”今”休みたい」と思い,休みました。

自己啓発等休業とは?

大きく分けて「大学等における修学」と「国際貢献活動」を希望する職員が長期休暇を取れる制度です。3年間まで取れます。終わったら元の仕事に戻ってこられます。

ビビリの私は校長に「ほんとうに復帰できますか?」と質問しに行きました。「できますよ。去年も〇〇先生が大学で1年間勉強されて戻ってこられたでしょ?先生も同じですよ。」と言われて安心しました。実際,帰国後に復帰できて(←当たり前かもしれませんが)ほっとしました。

私は大学に行くわけでもなく,青少年海外協力隊でもありませんでしたが,海外の小学校でボランティア活動をすることがメインだったので,許可が下りました。

お金がない(給与がない)

私の場合,1年間収入がゼロでした。にもかかわらず,共済組合員の資格を保持するために「保険と年金」の積立は引かれます。航空券代,ホストファミリーへの支払い,語学学校の授業料・寮費など,出ていくお金ばかりでした。無給&円安&物価高のトリプルパンチを食らった1年間でした。

自己啓発等休業は強くオススメ

休みたい人,休んで何かしたいことがある人には強くオススメします。新しい経験,新しい出会い,視野が広がるなど,素晴らしい効果がたくさんあります。私は貯金が一気に激減しましたがそれでも休業してよかったと思っています。気になった人はぜひ校長先生に相談を。相談も資料をもらうのもタダですので。休業期間中,学校(校長)側との必要なやり取りはほぼありませんでした。自由気ままでした。

私のギモン「自己啓発等休業ってみんな知っているのか?」

小学校教員の私がいきなり外国に行き,ボランティアしたり旅行したりして,帰国すればまた元の学校で働けるという状況は,海外の人に「そんな制度があるんだ。私の国にもあるのかしら。」と驚かれました。

私は教員の身分のまま海外に行ける,日本人学校や青年海外協力隊にも興味があって資料を取り寄せたり説明会に行ったりしました。しかし,自分で行き先を選びたいという思いが強かったので,もっと自由度が高く海外に行ける方法を探しました。そして,インターネットで調べて「自己啓発等休業というものがある」とたどり着きました。そして校長に相談し,トントン拍子に休業まで進んだ経緯があります。

しかし,最近疑問があります。

これまで何人の教員が取得したことがあるのだろう?

年間何人の教員が取得するのだろう?

調べてみると文部科学省の報道資料(平成31年・2019年の調査結果)がヒットしました。それによると次のようでした。

  • 休業して大学院で勉強した人が172 人(前回調査(平成28年度)比、17人減)
  • 国立大学が最も多く94人(54.7%)、海外の大学等は28人(16.3%)
  • 海外の大学等で修学する教員は、自己啓発等休業の活用が最も多く18人(64.3%)、大学院修学休業は5人(17.9%) ※大学院修学休業制度という,自己啓発等休業とは違う制度を使って大学院で研修できる。
  • 「大学院修学休業、自己啓発等休業及びその他の休業を活用した大学院等修学者数」の表によると,小学校44名,中学校50名,高等学校56名(平成31年4月1日現在)
  • 「大学院修学休業、自己啓発等休業及びその他の休業を活用した大学院等修学者数の推移」のグラフによると,最も人数が多いのは平成15年の378名,最も少ないのは平成31年の172名

減っているのか・・・

それでも国内外の大学や院で勉強している先生達がいるんだなぁ・・・

最近の情報は・・・?

さっとググったくらいでは調べてもいまいちすっきりしない,というのが素直な感想でした。私の一番の疑問は先生達はみんな自己啓発等休業って知っているのだろうか?」です。というのも,私は「最低1年間海外に行くには」と自分で調べて「自己啓発等休業」なるものがあることを知ったからです。

もしかして知らなかったの,私だけだったのでしょうか・・・

今まで学校で全体にお知らせがあっただろうか・・・。休業の取り方についての文書が回ってきたことがあっただろうか・・・。記憶がありません・・・。私の聞き逃し,見逃しなのかもしれませんが,繰り返しそういうお知らせがあればいくら不注意な私でも知っていたのではないだろうか・・・と思います。

ちなみに,精神疾患による休業者数,不祥事を起こした,懲戒処分を受けた教員数はたくさん記事が出てくるし,情報も新しいです。さっとググっただけで見たくないくらいたくさん出てきます。毎年学校でコンプライアンス研修があり,数字や具体例も見ます。それももちろん大事だと思うのですが,大学や大学院で勉強している先生がいることや,海外でボランティア活動をしている先生がいること,病気ではない先生も休業できることももっと発信してもらえるといいのではないかなぁと思いました。

少なくとも私は教員生活12年間で自己啓発等休業を取った人と会ったこと,話したことはなく,講義や講演を聞くようなこともありませんでした。私の身近な先生でこの制度を知っていた人も居ませんでした。「教員は世間知らず」と言われることもあるので,知見を広げて児童生徒に還元できるような制度であれば広く認知されるとよいのではないかと思っています。

自分に投資しよう

最後までお読みいただき,ありがとうございました=^_^=

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