私はこれらを見て衝撃を受けたのですがいかがでしょうか。(注:イギリスではチェックマークは正解を指します。)
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かけ算の「かける数」と「かけられる数」が逆ではありませんか?
上の写真の問題(a)は,一袋にりんごが1つ入っています。それが3袋あります。それをかけ算の式に表すとしたら,日本では「1×3」が一般的だと思います。日本の小学校の教科書であれば,このイラストを見て「3×1」を正解とする記載はないのではないかと,これまでの経験から思います。
下の写真のイラストは1パック6個入りの卵が4パックあるので,私には「6×4」に見えます。「4×6」には見えません。
日本の小学校の算数で「かける数」「かけられる数」の区別は大事と思い,「式には意味がある」と指導してきた私にとってこれは大事件でした。
イギリスの小学校で先生達に質問しました。
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(下の絵を見せて)この絵を見たら(かけ算で)どう計算しますか?
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3×2=6
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!?・・・やはり日本と逆なのか・・・
日本語で問題を出すとしたら「ビスケットが2枚載ったお皿が3皿あります。ビスケットは全部で何枚ですか。」のようになると思います。日本人なら多くの人が「2×3=6」と答えるのではないでしょうか。私はそう教わり,自分もそう教えてきました。これまで使ってきた教科書もテストの回答もそうなっています。これが例えば「お皿が3枚あって,ビスケットが2枚ずつ載っています。ビスケットは全部で何枚ですか。」という文であっても,上記の絵を式にすると日本では「2×3」が”正解”になると思います。
では,なぜイギリスの先生は「3×2」と,かける数とかけられる数が逆になるのか?
上の絵を英語で説明するとこのようになります。There are 3 plates of 2 biscuits. この文を見て数字が出てくる順番にかけ算の式に当てはめると3×2になります。
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3×2でも2×3でも答えは一緒でしょ?だからどっちでも正解だけど,私は3×2の方が好き。だって数字がその順番で出てくるから。
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・・・好き?・・・好き??・・・算数の式に「好き嫌い」ってあるのか・・・?これまで「かける数とかけられる数は区別する」「式には意味がある」と信じて教えてきたのに・・・?
私は頭を鈍器で殴られたくらいの衝撃を受けました。
そのイギリスの小学校には数学を専門とする先生もいたのでその先生にも質問しました。その先生は「どちらの式でもよいけど,どちらかというと2×3の方が数学としてはより正確だと思う」のような話をされました。
インターネットで調べると「かけ算の順序問題」が日本で熱く議論されている記事がたくさん出てきて,それにも驚きました。小学校の算数教育への批判もいくつか読みました。それらによると「答えは一緒だから順序が逆でもよい」という主張がありますが,私が見たイギリスの算数の問題は
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この写真のように数字の順序がもう固定されています。日本の一般的な(かける数)×(かけられる数)が逆になった状態で印刷されています。日本で教えている算数や,教科書に載っている内容が世界共通でないことは分かるのですが,このりんごの問題は何度見ても分かりません。
算数のような世界共通に思えるものですら国によって違うのだな,と認識を改めました。最後までお読みいただき,ありがとうございました=^_^=